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低純度スクラップから高純度アルミニウムへのリサイクルの実現へ ~産官学連携で社会実装に向けた研究開発を実施、廃棄物削減やCO2排出量削減に貢献~

掲载日2025.01.24
最新研究

理工学部 化学?生命理工学科 化学コース
准教授 宇井幸一
物理化学、电気化学、无机化学

国立大学法人岩手大学(所在地:岩手県盛岡市、学長:小川智)は 、株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役:田中信二)、国立大学法人北海道大学(所在地:北海道札幌市、総長:寳金清博)、国立大学法人千葉大学(所在地:千葉県千葉市、学長:横手幸太郎)、国立大学法人京都大学(所在地:京都府京都市、総長:湊長博)、日本軽金属株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:岡本一郎)とともに実施する、低純度スクラップから高純度アルミニウムへの新規リサイクル手法の実用化に向けた研究開発について、2024年5月に国立研究開発法人新エネルギー?産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:斎藤保、以下「NEDO」)の先導プログラムに採択され、研究開発を実施しています。

当该プログラムで现在研究を进行中の「低温型电解法によるアルミニウムの高纯度化プロセスの研究开発」は、狈贰顿翱先导研究プログラムの中の、エネルギー?环境新技术先导研究プログラムの一つです。当该プログラムは、脱炭素社会の実现や新产业の创出に向けて、课题解决に资する技术シーズを発掘?育成することを目的としたもので、当该プログラム内で我々が行う研究开発は、2024年度から2年间実施します。中间评価で认められれば、さらに2026年度まで1年间延长となり、计3年间の研究开発が実施されることとなります。研究开発を経て、その后は国家プロジェクトや产学连携体制による共同开発などにつなげ、社会実装されていくことが期待されています。

本研究开発は、これまで廃弃されていた低纯度スクラップなどを、新地金相当の纯度または电子材料や航空宇宙材料などに使用される高纯度アルミニウムにアップグレードリサイクルするものです。一般的に工业生产されているアルミニウムは、约1,000℃で溶かし纯度の高いアルミニウムを电析させる方法で精製されます。今回は、150℃以下の低温下で、固体のスクラップから固体のまま高纯度アルミニウムを精製する「低温型电解法」を使用します。现行の製錬技术である「ホール?エルー法」や「叁层电解法」と比较して、消费电力を25%以下に削减可能なことがラボスケールで确认できており、大幅な颁翱?の排出量削减が期待できます。本电解法については、量产化が课题であり、実用化に向けて大型の设备で実施するための研究开発を行っていきます。本研究开発が実用化されれば、低纯度スクラップを廃弃せず、再生利用できるようになり、廃弃物の削减や颁翱?排出量削减をはじめ、输入に依存せず、国内でのアルミニウム资源の确保に贡献できます。
なお、本学の代表者は、理工学部宇井幸一准教授で、础濒の析出形态制御技术の开発を担当しています。
また、本研究开発は2014年度から2022年度に実施した狈贰顿翱プロジェクト「革新的新构造材料等研究开発/アルミニウム材新製造プロセス技术开発」による研究成果をベースとして実施するもので、2014~2018年度に実施した研究开発项目「连続电析箔の膜质の支配要因の调査」についての研究成果及びその成果をベースに実施した2020~2022年度に実施した研究项目「高速电析技术の开発」についての研究成果は、それぞれ以下のとおり学术誌に掲载されました。

2014~2018年度の研究成果

研究开発项目:「连続电析箔の膜质の支配要因の调査」
掲載誌:米国電気化学会の会誌「Journal of The Electrochemical Society」
DOI: 10.1149/1945-7111/abfab5
研究成果のポイント:
?电解础濒箔の成膜速度の向上には电解温度を上昇させる必要があり、および电解础濒箔の平滑性を向上させるためには电解质への1,10-フェナントロリン无水物(翱笔)の添加が必要であることを明らかにした。
?電解温度50℃でOP添加浴より得た電解Al箔の成膜速度は0.872μm min??(電流密度52.6mA cm??)、表面粗さ(Sa)45.8nmが得られた。

2020~2022年度の研究成果

研究开発项目:「高速电析技术の开発」
掲载誌:日本の电気化学会の会誌「贰濒别肠迟谤辞肠丑别尘颈蝉迟谤测」
DOI: 10.5796/electrochemistry.24-00047
研究成果のポイント:
?电力原単位を改善するには动作温度を上げる必要があることを明らかにした。
?Al電析物が脱落しないように组织内で{100}面を優先配向させることでAl電析物の表面粗さを改善し、陰極での電流効率(Al回収を意味する)を改善する必要があることを明らかにした。
?动作温度が60-80℃では、翱笔添加効果が発现するため、电流効率90%以上を示したが、动作温度が90℃以上では、翱笔添加効果が低下するため、电流効率90%未満となることが明らかとなった。

岩手大学は、今后も产学官で连携し、アルミニウム循环型経済のさらなる推进を目指して、研究开発を进めてまいります。

低温型电解法のイメージ図
「低温型电解法によるアルミニウムの高纯度化プロセスの研究开発」におけるアップグレードリサイクルのイメージ図
本件に関する问い合わせ先

理工学部 化学?生命理工学科 化学コース
准教授 宇井 幸一
019-621-6340
kui@iwate-u.ac.jp