教育学部 英语教育科
准教授 ホール ジェームズ
英语科教育
私は三つの領域の研究に取り組んでいます。外国語教師成長論、外国語教師教育、外国語教育のカリキュラム開発。これらの研究への関心は、自分の教育の試行錯誤から生まれました。自分の経歴を述べてから、研究绍介をしたいと思います。
私はアメリカ合众国の出身で、元々、JETプログラム(语学指导等を行う外国青年招致事业)の英语教育助手として日本に来ました。私は、1997年、北海道の地方の中学校に派遣されて、2年间英语を教えていました。当时の私は経験が少なく、生徒の関心を引き、また生徒の学习を促进するような授业を実施するのに苦労しました。私には、次のような思い出があります。ある日、私は中学校の3年生の授业で、教科书のページを朗読していました。生徒が私の后、教科书の文章をリピートしていました。教科书の内容があまり面白くないためか、生徒が小さい声でつまらなそうに私に続いて音読をしていました。私は生徒の関心?兴味を少しだけ引こうと思い、急に教卓に飞び上がって、音読を継続しました。しかし、生徒はあまりにもびっくりして、沉黙が流れてしまいました。私は、このような経験を経て、何とか充実した外国语教育を実践したいと思うようになり、私の研究の旅が始まりました。
「外国语教师成长论」は、外国语教师の成长の过程やそういった成长を促す?妨げる要因を探求する研究です。私は、新任の中学校英语教员を研究の対象にしています。机の上に飞び上がるまではしていないと思いますが、私の当时のような気持ちを持っている新任の中学校英语教师は少なくないと思います。例えば、多くの新任教师が「コミュニケーション」を授业に取り入れたいと思っていても、コミュニケーション活动が上手く行きません。私は、新任教师がどのようにしてコミュニカティブ?ランゲージ?テーチング(以下、CLT)を行っているかということに强い関心があります。新任教员の成长を理解するために、実际の授业を観察し、その后、授业者と共に授业を振り返ります。1年半に渡り、定期的に同じ新任教师の授业を観察する研究を行ったこともあります。授业とインタビューのデータから、CLTを実施するにあたって、これらの教师が直面する课题を描く「エピソード」を书き、このエピソードを分析します。教师であっても、どの学校で教えても、CLTを実施するときには何らかの问题に直面します。例として、教科书とコミュニケーション活动の不一致、学级マネジメント等が挙げられます。成功する教师は、これらの问题を深く理解し、自分なりの解决策を见つけ出し、独自の根拠のある教育论を形成します。つまり、「効果的」な外国语教育の在り方は学校と学习者の特徴、教师自身の性格と特技によって异なります。能力のある教师は、自分の専门性を活用し、この専门性を筑きながら、现场にあった教育の仕方を开発します。
私の二つ目の研究領域は外国語教師教育です。この研究では、私は「考える教師」を育成する教員養成のプログラムを開発しています。前述した新任教員の研究に基づいて、このプログラムでは「考える教師」を「問題解決に取り組める」教師として捉え、CLTを実施するための「問題解決」を「英语科教育法」という授業に取り入れています。「英语科教育法」とは英語の教員免許を取るための必修科目です。図1は、2年の前期から3年の後期まである教育法1から4までの流れを示したものです。各科目は、講義と現場の実践からなっています。学生は、大学で教育方法論について勉強し、これらの理論についての知識を深めるために、現場で、CLTを取り入れた英語の授業を実践します。授業の計画を作成したり実践したりする時、必ず、学生は解決しなければならない課題に出会います。授業の実践の後、学生が自分にとって重要な意味を持つ出来事(クリティカル?インシデント)を説明し、これを通して、自分の「英語教育観」がどのように変わったかについてレポートを書きます。「英語教育観」とは学生が考えている効果的な英語の教え方とその根拠を表す用語です。
学生は、各英语科教育法の中で、起こったクリティカル?インシデント、そして自分の中で形成している「英語教育観」を、各自のe ポートフォリオに載せます。私はルーブリックを使って、学生の「英語教育観」が2年間でどのように変わったかを分析します。
今後、私は英语科教育法のデータも含め、学生の時代と英語教師として働き始めてからの数年間のデータを分析していくつもりです。そうすることにより、大学の教員養成課程での学びと現場での教育実践経験がどのよ
うに教师の成长に影响しているかを研究したいと思います。
私の叁つ目の研究分野は外国语教育のカリキュラム开発です。私は毎年、附属小学校や附属中学校と共同研究を行っており、生徒のコミュニケーション力が伸びるように授业の工夫をしています。また、タイ王国の中等学校に学生と访问し、タイの英语教育の水準を満たす授业を実施しています。さらに、授业を観察するための「授业研究アプリ」をタイの学校と共同で开発しています。
英语を教え始めてから20年以上経ちましたが、45歳になる私は、今でも、教育者として、研究者としてまだ成长しています。私の教育と研究のミッションは、他の教师の成长を促しながら、外国语教师教育、外国语教育に贡献をすることです。私は岩手大学教育学部でこのミッションに取り组むことができて、光栄に思っています。